スマホVRとOculus Rift Sの違い – メリットデメリットを徹底解説

VRゴーグルを用いてのスマホVRしか経験が無かった私が、Oculus Rift Sを購入してみて感じたことを書き留めます。

これからVRを始めたい方や、すでにスマホVRを体験済みでステップアップを検討している方に、参考にしていただければと思います。

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Oculus Rift S とは

まず始めにOculus Rift Sを簡単にご紹介します。

Oculus Rift Sは、Facebook傘下のOculus VR社によるPC用のVRヘッドセットです。

VR元年と言われた2016年3月に「Oculus Rift」という名前で初代のヘッドセットが発売されました(※厳密には「Rift」)。

その「Oculus Rift」の後継機という位置づけの「Oculus Rift S」が2019年5月の発売となります。

同時に発売された「Oculus Quest」はPCやケーブルなどが不要なスタンドアロン型のVRヘッドセットで、スタンドアロン型でありながらも6Dof(3D空間を動きまわれる)を実現するなど世界を驚かせました。

対して「Oculus Rift S」は初代の「Oculus Rift」からスペックが多少上がったのと、初代では必要だった外部に設置するセンサーが不要になるという程度に収まっていて、インパクトや話題性では「Oculus Quest」に劣っています。

しかしながらVRの没入感を極限までに求めるなら、やはりPCに接続して使用するVRヘッドセットが必要になるでしょう。

VRヘッドセットの知識がまだ無い方は、とりあえずOculus RIftが世界で最も有名なPC用のVRヘッドセットだという認識でよいでしょう。また同時に台湾のHTC社による「VIVE」も有名で、Oculus Riftとよく比べられます。OculusとHTCはVRヘッドセット界の二大巨頭と言っても過言ではありません。

また一つ注意しておきたいのが、Oculus RiftはMacには対応していないということです。MacPCでVRを楽しむ場合は、以前公式サイトでも推奨していたようにHTC社のVIVEなどを検討しましょう。

▼Oculus公式サイト

ブラウザーをアップデートしてください | Facebook

▼HTC VIVE公式サイト

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スマホVRからOculus Rift Sへ

メリット

画質

画質の良さは想像を遙かに超えるほどでした。別物というか次元が違うというか、スマホVRとOculus Rift Sとでは、そのレベルで画質の違いがあります。

ただしVR用の動画などの場合、その動画自体の画質が良くないとOculus Rift Sの本領を発揮できません。動画によってはスマホVRと変わらないなと感じることもあります。

元の画質がいいゲームや動画などは、本当にその世界に入り込んだような感覚になります。

Oculus Rift Sのセットアップを終えると勝手にライブラリにwelcome動画のようなものが入っていて、それを見ると宇宙人や恐竜と対峙させられるのですが、怖くてヘッドセットを外してしまうほどの没入感を味わえます。

視野角

VRの没入感で大事なポイントですが、視野角の広さがスマホVRより断然広く感じます。

スマホVRは左右の幅が非常に狭く感じます。まるで細い筒を覗いているかのような感覚ですね。(ゴーグルや画面の大きさによって多少違いはあるとは思いますが…)

人間の視野角は200度くらいと言われていて、Oculus Rift Sの110度ではまだまだ足りないのですが、それでもスマホVRと比べると視野角の広さが顕著です。

左右上下の画面連動の精度(センサーの精度)

つづいて左右上下に頭を振ったときの画面の連動ですが、スマホVRだと若干の遅れが気になったりします

それにコンテンツを楽しんでいるうちに、気づいたら正面の位置がずれていたりして、体の向きを変えたりしなければならないことが多々あります。

一方で外部センサーでトラッキングしているOculus Rift Sはかなり正確です。

左右上下に頭を振ったときの画面の連動も、現実と変わらないレベルなので没入感が増します。

ただこの外部センサーに少し不満な点があります。それは部屋が暗いと機能しないので、部屋の電気をつけた状態でプレイしなければならないということです。この辺あとでデメリットの部分で詳しく書きます。

3Dofと6Dofの違い

これまた没入感で大事なポイントです。

スマホVRは3Dofで、頭を上下左右に動かせるのみです。

一方でOculus Rift Sは6Dofなので、頭の上下左右に加えて、体を前後上下左右に動かせます。つまりバーチャルの世界を動き回ることができるのです。

もちろん勘違いしてはいけないのが、3Dの世界のみ動き回ることができると言うことです。

現実の世界をVRカメラで撮った映像は、カメラが一カ所に固定されているので必然的に3dofとなります。

主なVRヘッドセット対応状況
スマホVR 3Dof
Oculus Go 3Dof
Oculus Quest 6Dof
Oculus Rift S 6Dof
HTC VIVE 6Dof
HTC VIVE PRO 6Dof
Play Station VR 6Dof

コントローラー

スマホVRでは操作するたびにゴーグルからスマホを外してというような作業が必要だったりしますが、Oculus Rift SではOculus Touchというコントローラーが付いているのでそのような必要はありません。

さらにヘッドセットを装着した状態で外の状況を画面に映し出すことができるので、わざわざヘッドセットを頭から外すことなく現実の世界を移動したり、休憩で飲み物を飲んだりなどといったことができます(パススルー機能)。

▼コントローラーから出るビームで選択したりできます。

▼コントローラーで物を掴んだり投げたりも出来ます。これは部屋に置いてあった卓球ラケットと球で遊んでいる様子です。驚くほどリアルです。

バーチャルデスクトップについて

実は個人的に一番感動したのが、バーチャルな3D空間の中で、大画面でデスクトップが開けるということです。

Oculus Rift Sのアプリを起動し、ヘッドセットを装着するとホーム画面(Oculus Home)という自分の部屋にいる状態から始まるのですが、その中でPCのデスクトップを開くことができます。

もちろん画面の大きさや位置は自由自在にできます。100インチくらいの大きさにして、さらに湾曲させた画面を目の前に置いてYouTubeでライブ映像なんかを見るとまるでその場いるかのような感覚を味わえます。

しかも画質も申し分なく良くて、本当に超大画面のモニターが目の前にあるように見えます

デメリット

価格

スマホVR以外のVRのデメリットとしてまず始めにあがるのが、なんと言ってもその価格です。

特にOculus Rift SやHTC VIVEなどのPCに繋ぐVRはヘッドセットだけではなく、ハイスペックなゲーミングPCも必要になります。

私はPCでVRをしたくて初めてゲーミングスペックのPCを購入しました。

Oculus Rift SとPCで20万円以上して死にかけましたが、後悔はしていません。

上述したバーチャルデスクトップの部分だけをとっても、それくらいの価値はあると思います。

しかしそこまでは出せないがスマホVRを卒業したいという方は、上述したOculus QuestやPlay Station VRを検討してみてはいかがでしょうか。

主なVRヘッドセットの価格

Oculus Go
23,800円(32G)
29,800円(64G)
スタンドアロン型

Oculus Quest
49,800円(64G)
62,800円(128G)
スタンドアロン型

Oculus Rift S
49,800円 PCに接続

HTC VIVE
64,250円 PCに接続

HTC VIVE PRO
133,000円 PCに接続

Play Station VR
34,980円 別途PS4が必要

※Oculusのみ税込み価格

ちなみにいずれにせよ高い買い物になりますので、瞳孔間距離(IPD)が合わない場合があるということを頭に入れておいた方が良いかもしれません。目と目の間の距離は当然個人差がありますが、極端にレンズやディスプレイと合わないと、視界がぼやけてしまい快適なVR体験ができないようです。通常、VRヘッドセットによってハードウェアに付いたつまみで調整できたり、ソフトウェアの設定で調整できるので多くの場合は問題無いと思いますが、希にそのVRヘッドセットを使用することを諦めなければならない場合があるようです。

部屋を暗くできない

Oculus Rift Sは外部センサーでトラッキングするため、部屋が暗すぎると使用できません。

私は薄暗いくらいの部屋でプレイしていますが、若干鼻のあたりから光が入ってくることがあるので、没入感が損なわれます。

一方でスマホVRでは部屋を真っ暗にした状態で使用できたので、光が邪魔になることはありませんでした。

重さ

Oculus Rift Sを使用して初日にまず思ったのは、その重さです。

スマホ用のゴーグルとは比べものにならないほど重く、それを顔に固定しなければバーチャルな世界を楽しむことができないという現実が立ちはだかります。

後部のダイヤルをきつく回して顔面に固定するので、ほっぺのあたりが食い込んで痛みも生じてきます。

1,2時間ほど使用して鏡を見たら、顔にくっきり跡が残っていました 笑

ただし、今思えばこれははっきり言って慣れるので大丈夫です。装着の仕方もうまくなるので、数時間使用して薄らと跡がつくくらいのレベルに抑えられます。

コードが太くて邪魔

重さに続いて、というか関連しますがコードが太くて重いです。PCに接続するVRは画質が綺麗な反面、重さとコードの問題が没入感を削いできますね。

このあたりも間をとって、スタンドアロン型のOculus Questを選択するという手があります。

まとめ

以上、スマホVRからOculus Rift Sに移行してみて感じたことをざっと書き出してみました。

Oculusの公式HPに「楽しさは無限大」という言葉が書かれていますが、私はOculus Rift Sを使ってみて正にその言葉が腑に落ちました。

なんとなくVRってゲームを楽しむためのハードウェアっていう印象が強かったのですが、全然それだけではなく、ゲームも動画も映画もYouTubeなどでみるライブ映像含めた音楽も、はたまた単なるネットサーフィンなど、あらゆるエンターテイメントを楽しめる最先端のモニターなんだなと思いました。

一家に一台、いや、一部屋に一台テレビやPCがあるというような時代の流れがありましたが、これからは一家に一台はVRヘッドセットという時代になる気がしています。

ハイエンドを求めるとやはり高性能PC代を含めた価格の高さがネックになってしまいますが、Oculus Questなどのスタンドアロン型や、そこまで高性能なPCでなくても使えるというWindows Mixed Realityなど選択肢も多くなってきています。

価格帯やコードの有無など様々なことを考慮して、ご自分に合うVRヘッドセットを探してみてはいかがでしょうか。

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